3-2. 薄い膜の色は同じ波長の光の共鳴で生まれる

光が薄膜に出会うと次のような特殊な動きをします。

1、光は、波長と波の形が重なり合う状態で出会うと強さが強調され、波の形が反対の状
  態で出会うと強さは打ち消されるという干渉現象を起こします。
2、光は、屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質に入るときに、境界面で、波の位相が
  180゜(1/2波長=λ/2) 飛び(進み)ます。反対に、屈折率の低い媒質から屈折率の
  高い媒質に入るときには、位相の飛び現象は起りません。
  *光のこの動きが油膜の虹色やシャボン玉の七色を作り出しています。
3、光は異なる媒質の境界面で反射しますが、光が屈折率の低い媒質から屈折率の高い媒
  質に入るときの反射率は低く、反対に、屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質に入
  るときの境界面での反射率は高いのです。
  *光のこの性質をうまく活用して開発されたものに、メガネ・写真レンズにみられる
   無反射レンズ(コーティング技術)や光通信のネットを構築している光ファイバー
   (製造技術)などがあります。

 光は、波長が同じで波の形も同じ光同士が出会うと、共鳴して強い光になります。この動きを光の強調の干渉といいます。また、波長は同じだが波の形が逆の(180゜ずれた)光同士が出会うと、打ち消し合って光が存在しない状態と同じになります。このときは光の打ち消しの干渉といいます。

 シャボン玉の薄い水の膜の強調干渉は、膜の表面で反射した光と膜の底で反射した光が出会って起ります。もともと一つの光(または一つの光と同等の光)が一度2つに分かれて進み、再び出会って共鳴するのです。もともと一つの光から分かれた光は波長も位相も等しいので、出会うと非常に干渉しやすい光同士なのです。
 膜の底で反射してシャボン玉の表面に出てくる光は、シャボン玉の膜の厚さによって厳密に選別されるのです。この厳密な選別の対象は光の波長すなわち色なのです。
 太陽から来たいろいろな色を含んだ光はシャボン玉に当り一部は表面で反射し、残りはシャボン玉の中に入り膜の底でまた一部が反射して、シャボン玉の外へ出てきます。この膜の底で反射できる光は、シャボン玉の膜の屈折率(n)と厚さ(d)に相応した波長の光(nd=λ/4)だけなのです。膜の厚さに合致した光がシャボン玉の表面に出た途端に、表面で反射した光の中の同じ波長の光と干渉し、振幅が2倍になった色を持った強い光に変身するのです。


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