2.なぜ夕焼け朝焼けが起きるのか?

 夕焼けは、周波数の高い青い系統の光がより多く分散されてしまって、見ている人に青い色が届かないから赤い空となるのですが、他にも夕焼けを助長するものがあります。
 1つは、空気は地表に近くなるにつれ光学的密度が徐々に大きくなり、台形のプリズム 状になっていて、夕日からの斜めの光がこの台形プリズム状の空気層を通るとき、青に近い光ほど屈折率が大きいので大きく曲がり、見ている人に届くまでに地表に衝突して消滅してしまうというものです。
 もう一つは、周波数の低い赤い光が山などの稜線(エッジ・縁)で青い光よりも大きく山陰に回り込む回折現象です。

 夕焼け・朝焼けは、雨の日や曇った日には見られません。青い空と同様、晴れた日ほどその現象がよく見られます。今までは太陽が上にあるときだけをみてきましたが、太陽が地平線に近づき、太陽の光が斜めから来るときを考えてみます。
 朝焼けや夕焼けのときは、高い空は青いままですが、低い空は黄・橙・赤と低いほど赤が強くなっています。
 夕方になって太陽が斜めになると、太陽から出た光は昼よりも長い空気の層を通ることになります。すると、先程までの説明のように、太陽から来た青色系の光は、赤色系の光よりも空気中の分子と非共鳴反応する回数がより多くなります。即ち、太陽から来る青色系の光は、より多く空気中の成分に取り込まれたり散乱して消費されます。したがって、夕焼けは太陽の位置が低くなるほど、低い空ほど、散乱消滅の少ない波長の長い赤い光がいっぱい届いてくるので、より赤い空になります。






また、夕方になると、太陽は徐々に天空を照射するようになり、空からの青い光を赤味の強い光で遮ることになります。したがって、赤い光の層を透かしてその上の青い層を見ることになるので、青が薄くなった色温度の低い赤い空に変わっていきます。
付随的な働きですが、大気圏は地表に近いほど気圧が高く、空気の密度が高くなっています。したがって、光学的密度も地表に近いほど高くなっていて、三角形か台形のプリズムと考えることができます。光は波長が短いほど屈折角(率)が大きいのです。朝方・夕方のように、太陽の白色光が台形のプリズムに入ると、波長の短い青い光が先に下(地表)に落ちますが、赤い光はまだ空中を飛んで目に入るので、夕焼け・朝焼けが助長されることになります。
さらに太陽が地平線より下に来ますと、光が物の陰にも廻り込む回折現象が伴います。回折現象は小さい穴のピンホ−ルや狭い隙間(スリット)だけではなく、物の辺縁(エッジ)でも起きてい
ます。例えば、ペンや鉛筆を太陽などの強い光にかざすと、細くなったり千切れたりして見えます。この現象は、光がペンの縁で曲がりペンの陰の部分まで回り込んでいるのですが、目は光が曲ることなく真直ぐにきているように見ているからです。そして光が物の縁で曲がるときの回折角度は、波長が長いほど大きいのです(レンズ・プリズムを通るときの屈折角とは逆 です)。したがって、地球表面の辺縁を通った赤い系統の光が、より早く地上に届くことによって夕焼け現象を助長しているのです。

 その他の付随現象とそのわけ
  *赤い光は物の境界(山など)で青い光よりも大きく曲がる(回折角が大きい)ので、山陰
   ではいち早く夕焼けを見ることができる。
  *大気圏がプリズムになっている事から、傾いた太陽は、本当の位置よりも高く見えている
   のです.これは夜の月や星にも共通しています。
   太陽の上端が水平線に顔を出したときには、実は、水平線の下 34 分 54 秒の角度の位置
   にあるのだそうです.これを時間に直しますと、2分 20 秒 ( 2'20" ) になります。した
    がって、昼夜の時間が等しいと言われる春分の日や秋分の日は、実際には、9分 20 秒
   [(2'20"x2)+(2'20"x2)]昼の時間が長いことになります。

   *沈み行く太陽が横に伸びた楕円形になるのは、地表に近くなるほど空気中の光学的密度が
   徐々に大きくなり、台形のプリズム状になっていることと、太陽からの斜めの光がこの台
   形プリズムを通るとき、太陽の上端よりも下端の方から出た光がより大きく曲がって来て
   いるからです。そして目は、その光が曲がらずに真直ぐ来ているかのように知覚して見て
   いるからです。

  *都会の空は埃・煤煙・スモッグが多いので、夕焼けとは別に、真っ赤に見える太陽が沈ん
   でいきます。真っ赤な太陽は奇麗ですが喜んでいるわけにはいきません。この現象は、空
   気中に浮遊している埃・煤煙の成分分子(原子・電子)が、空気の成分分子よりも、一層
   多くの短い波長の青系の光を消耗する結果なのです。そして、空気が汚れているほど(特
   に煤煙の炭素分子が多いほど)太陽は赤くなるからです。
   工業や交通(今は工場よりもジ−ゼル機関が出す煤煙の方が多いのでは)が発達して公害
   が悪化すると共に、太陽はより赤味を増してきたと言えます。

  ☆もっと易しく知りたい場合は「ステップ-1」へお戻りください。