1.な ぜ 空 は青 く 見 え る の か ?

 空が青く見えるのは、可視光が空気中の成分の分子・原子・電子と出会ったとき、青の光が可視光の中で一番反応する機会(量)が多いからなのです。また可視光が反応する量 は太陽から来た光の全体量から見ると、空を暗くすることなく青く見える程度の、極々僅かな量にとどまっているからなのです。
 この反応の量が極端に少ないことは人類(全ての生物)にとって大変幸運な恵となっているのです。なぜなら、有害な紫外線は空気の上層にあるオゾンと出合ったとたんに殆ど全部が共鳴して四方八方に散乱し消滅するので、地上まで届かないからです。オゾン層に穴が開き、紫外線が地上を直接照射することになると、生物に多大な害を及ぼします。
 全く害のない有用な可視光は吸収や消滅されると大変困るのです。可視光が消滅すると、地球上はとても薄暗い世界になり、生物が生存できなくなってしまいます。

 *今までは振動するときの波長で話を進めてきましたが、ここではエネルギーの授受の
  話になりますので、エネルギーの強弱を表すのに周波数を使うことにします。
  光の周波数は光の速度を波長で割ったものなので、波長が短いほど周波数は高くなり
  ます。また、物質の振動数すなわち周波数は小さく軽いほど高くなります。

 I-1、光と空気中の成分との反応について

 電磁波が物質の分子・原子・電子と出会ってエネルギ−の授受反応をするとき、エネルギ−(周波数・振動数)の大きさが同じで共鳴する場合と、エネルギ−(周波数・振動数)の大きさがまるで違う場合とがあります。前者はエネルギー値の等しい紫外線と原子・電子の共鳴関係および赤外線と分子の共鳴関係であり、後者はエネルギー値が一致しない可視光と原子・電子・分子の非共鳴関係です。
 オゾン層では、全ての原子・電子は衝突してきたエネルギー値の等しい紫外線を即座に散乱放射させます。しかし大気圏では、エネルギー値に差があるために、膨大な数の分子・原子のうちのただ1個の割合くらいでしか可視光を散乱放射させることが出来ないのです。
 空気中の成分で安定した形の窒素(N2/78.1w%)・酸素(O2 / 20.9w%)・アルゴン(Ar/ 1.286w%)・二酸化炭素(CO2 / 0.04w%)および水(H2O)などの分子は、その分子の中の単一原子や電子雲(複数の原子が結合したときの電子の群)は紫外線に共鳴し、複数の原子を持つ分子は赤外線に共鳴するのです。
 可視光は、空気中の反応において、分子の周波数とでは小さ過ぎ、原子・電子の周波数とでは大き過ぎるという狭い間のぎりぎりのところで共鳴が避けられています。したがって、可視光は空気の成分とは非共鳴関係にあるので、散乱放射による著しい消滅は回避されているのです。
可視光の中には、一般に七色と言われるいろいろな色の光を含んでいますが、太陽放射の全体からみると、非常に狭い範囲でしかありません。したがって、狭い範囲の可視光の中でそれぞれの色の光エネルギー(振動数=周波数)の差は、ほんの小さなものということになります。
 紫外線に共鳴し、可視光には共鳴しないという空気成分の分子のなかの電子雲(紫外線振動子)は、実は、太陽の照射を受けると、共鳴周波数(紫外線)に近い周波数の可視光に微弱ながらも反応して、かすかに振動を開始します。このとき、青い光は周波数が高く紫外線により近いので、周波数の低い赤い光に比べて僅かではありますが反応しやすい(反応する機会が多い)ことになります。反応する機会が多いということは、太陽から出た青い光を多く散乱し、直射光路から消費することになります。晴天時、青い光が散乱し少なくなった太陽の周辺で白っぽくなっていることと、空気層が一番薄く散乱の少ない中天付近が一番青く見える(青い光が一番多く地上に届いている)ことがこれを証明しています。

・・・・太陽周辺を見るときには太陽の強い光が目に入らないようにご注意してください・・・・

ここで重要なことは、成分物質の振動する粒子である振動子(分子・原子・電子)は、外部で振動している粒子である駆動子(光子)からの刺激を受けて弱いながらも一度振動が起こると、その振動運動が源(モーメント)となって次から次へとやって来る駆動子の刺激によって、振動が徐々に増幅していくことです。
 そして振動子の振動の振幅(振動の高さ)が増大してエネルギーの強さが蓄積され、原子が励起されます。そして駆動子の強さと同じ強さ(強さは振幅の高さ)になったとたん(臨界に達したとたん)、ガマンできなくなって駆動子と同じ波長の光を散乱放射します。このような散乱放射を研究者の名をとって「レ−リ−の散乱」といいます。この散乱放射の方向は不特定のため、あらゆる方向へ光を万遍なく散乱放射することになります。したがって、この非共鳴の放射散乱は、青から赤までの全可視光域に共通して起こります。但し、エネルギ−の高い短波長光(青系)ほど放射の機会が多くなります。
この現象を最も良く表現しているのは、正月の晴れた日に見る遠い山々の淡さがそれです。大変空気が澄んでいても、遠い山が色褪せて淡い色になったり、雪をまとった純白のはずの遠い山が、青色光の消耗により、色温度が少し低くなって黄色味を帯びて見える情景です。この現象から分かるように、「レ−リ−の散乱」による光全体の減衰および青色光の消耗と減衰は、この程度に少ないものなのです。

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